第35回篠山ABCマラソン 大会レポート
2015年3月1日 (日)に第35回篠山ABCマラソンが開催されました!この日はあいにくの雨。寒さと疲労で過酷なレースとなりました。
フルマラソンで参加してきましたので大会の様子をレポートします!
目次
大会概要
兵庫県篠山市で開催されるマラソン大会。第35回目を迎える歴史ある大会です。約10,000人のランナーが参加し、申込日当日には定員に達するほど人気があります。
今回はゲストランナーとして安田大サーカスの団長と元プロ野球選手の田口 壮さんも走られました。
過去には、野々村真さん、にしおかすみこさんなどの芸能人も参加しています。にしおかさんは篠山マラソンで3時間31分17秒で走り、自己ベストを更新していますね。
部門:フルマラソン(登録の部 男女、未登録の部 男女)
参加料:5,100円
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アクセス
大会会場は、篠山城跡。この近辺がマラソンムードに包まれます。篠山市は神戸、大阪、京都の中心部から離れた山間にあります。そのため交通手段は以下に限られてきます。
車
篠山城跡を中心とし、20以上の駐車場が設けられます。一部有料もありますがほとんどが無料。離れた駐車場からは、送迎バスも出ています。当然、大会近辺は人気で、前日から車中泊をしている人もいるようですね。渋滞も考慮して早めに到着しておいた方がいいでしょう。
今回のように雨ならば、車が絶対に楽です。着替えや、荷物、待ち時間の休憩を車で済ませられるのは、ほんとうに幸せなことです。
マラソンバス
大阪、神戸などの中心部から大会専用のマラソンバスが出ています。ただし、事前申込が必要。乗車料金は往復3,500円です。バスに乗ってしまえば、仮眠したり、本を読んだり時間を使いやすいです。特に帰りは疲労がたまっているのでずっと座っていられるバスなら安心です。
電車
JR福知山線 篠山口駅で下車。そこから会場まで5kmほど離れているため、路線バス(片道290円)で向かいます。僕は電車で行ってきましたので、もう少し詳しく紹介します。
この日は朝4時に起きて早朝の電車で向かいました。電車は超満員ではないものの、座れないくらいの人は乗っていました。篠山口駅に到着したのは7時過ぎ。すでに数台の路線バスが待機していました。
会場まで歩いて行けないか聞いてみたところ「5kmくらいあるから遠いよ」との助言。僕はウォーミングアップに最適な距離だと判断し、スマートフォンのGoogleマップを見ながらjogで行ってみることに。GPSで測ったところ実際に5kmくらいでした。道を確認しながら1km6、7分ペースで40分くらいです。でも、はじめての土地&田舎で目印もないため、道を間違うと大変なことになります。地図がないなら、やめておいたほうがいいでしょう。帰りは疲労しきった体で歩く勇気がなかったため、路線バスに乗りました。
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会場
8時過ぎに到着。スタートの2時間以上前にもかかわらず多くのランナーでにぎわっていました。
受付
大規模なマラソン大会では、前日受付が主流ですが、篠山マラソンは事前にゼッケンと計測チップを郵送で届けてくれました。篠山は遠いのでありがたい配慮です。2日連続で行くのはしんどいですから。他のマラソン大会も是非、こうしてほしいです。ただし、ゼッケンと計測チップを忘れると有料での再発行になりますから、絶対に忘れてはいけません。
施設
更衣室、トイレ、荷物一時預かり、健康診断コーナーがあります。トイレは十分な数がありほとんど待つことなく利用できました。
この日の問題は更衣室と荷物預け。雨が降っているため屋根のある更衣室は超満員。軒下のわずかなスペースで着替えをし、シューズに計測タグをとりつけました。
荷物一時預かりは、大きなビニール袋は支給されず、荷物に直接タグをつけて預ける形。それだと防寒用で着ていたウェアがとうていリュックに入りません。このように荷物が複数ある場合は、紐でしばります。晴れていたらなんてことはありませんが、雨でどこもかしこも濡れている状態。地面は土で水たまりだらけ。かなり苦労しました。
健康診断コーナーでは、状態の悪いところを見てくれるとのことで、傷めていたふくろはぎを見てもらいました。しかも、走りに支障がないように無料でテーピングを貼ってくれました。後ほど紹介しますが、このテーピングがレースの大きな力になってくれました。
ショップ
飲み食いできる屋台やスポーツショップがいくつも出店。うどんやおにぎりなど、スタート前のエネルギー補給には十分です。僕も1個100円のおにぎりとゼリー系飲料を買って準備しました。
レース
スタート前
登録の部は10時40分、未登録の部は10時50分スタートです。陸連登録者は、スタート時の混雑が緩和できるため、メリットがある大会ですね。
スタートが近づいても雨は降り続け、ランニング用ウェアで軽装になった体を冷やします。対策としてほとんどのランナーがカッパやビニール、帽子を被っていました。僕は無知のためそんな装備は一切なく、ただただ濡れながら号砲を待ちますw。ちなみに10時30分までに自分のブロックに入られなければ最後尾に回されます。時間には余裕を持って行動したいところです。
コース
篠山城跡をスタートし、篠山の山や田畑の広がる道を走り、篠山城跡に戻ってくるコースです。
本来ならのどかな風景を楽しみながら走るところですが、降り続ける雨でそれどころではありません。強風が吹いていないことがせめての救いでした。
レース展開
過去2回の大阪淀川マラソンと奈良マラソンでサブ4を達成していたので、今回はサブ3.5(3時間30分以内)を狙いました。サブ3.5を達成するには1km約5分のペースが必要です。実は、自信があったので1km4分40秒で刻み、後半も元気ならさらにペースを上げる作戦にしました。雨とふくろはぎの状態で失速したなら前半に稼いだタイムを消費しながら走りきろうと。
スタート!
前方からスタートできたので、渋滞にまきこまれることなく最初から自分のペースで走られました。雨でもおかまいなしにペースを上げるランナーにつられて、4分台前半までペースが上がります。それでも、後半に力を残したいため、我慢我慢で4分40秒前後をキープしながら20km地点を越えました。ちょうどオレンジ色のウェアを着たランナーが、僕とほぼ同じペースだったので「オレンジおじさん」というあだ名をつけてその背中を追いました。
給水所
止まない雨のせいか給水所のドリンクや軽食をあまり欲しませんでした。それでも何が起こるか分からないのがマラソン。沿道の子どもにもらったチョコレートやスポーツドリンクで体力をつけます。しし汁を味わえるところもあったようですが、記録を狙いたいため我慢です。
篠山マラソンの給水所では、希望者がスペシャルドリンクを置くこともできます。目立つように置かれたドリンクボトルを一生懸命スタッフの方が探して手渡していました。
この日の雨は想像以上の試練
順調に刻んでいたタイムも25kmを越えてから予期せぬ異変が起こりはじめます。まず、雨を吸ったウェアが体にベタっとくっついたまま走っていたのですが、そのせいでお腹が冷えてきました。トイレに行きたくなります。走りながら用を足す”ランション”をする勇気もありません。ギリギリまで我慢する決心をして走ります。
次に、37km地点で、ふくろはぎのテーピングが雨ではがれました。スタート前に健康診断コーナーで貼ってもらったものです。それと同時にふくろはぎがズキズキと痛みを放つようになります。ゴールまでまだ5km。どこまでもつか。今にもつりそうなふくろはぎが気になります。でもここまで走られたのはきっとテーピングのおかげ。テーピングの力を思い知らされました。
疲労&お腹の痛み&トイレ&ふくろはぎで、ペースは1km5分まで下げました。ちなみにレースを引っ張ってくれたオレンジおじさんは、35km地点で追い抜く結果になりました。やはり35kmの壁は厚いです。
サブ3.5&自己ベストでゴール!
こんな状況でもうれしかったのは走力が確実に上がっていると実感できたこと。過去2回のフルマラソンは30kmを越えてから脚が全くいうことを聞かず、ペースは1km6分から7分になるまで落ち込み苦痛の状態でゴールしていました。今回は、問題をかかえながらも30kmを越えてから脚に力がありました。走っているという感覚があったのです。
後半に極端なペースダウンをすると多くのランナーに追い抜かれ精神的にもきつくなります。でも脚に力があったため大勢のランナーを抜きました。この感覚を後半で味わえることは大事ですね。次はネガティブスピリットを試してみたいです。
40kmからのラストスパート。苦痛で顔がゆがみますが関係ありません。一心不乱にゴールを目指します。
そしてサブ3.5&自己ベストでゴール!この瞬間だけは何度味わっても格別です。
ゴール後に待っていたもの
フルマラソンは過酷でもゴール後はなんともいえぬ晴れやかな雰囲気があります。ただし、この日だけは別。大きな毛布に体を巻き付けて震える人や「とにかく早く家に帰りたい」と悲痛な表情を浮かべる人など地獄のような光景でした。更衣室も帰りのバスも疲れ切ったランナーであふれる異様な空気でした。
走っているときは体温をキープしていますが、走り終わった後の急激な冷え込み。僕もガタガタ震えながら帰路につきました。雨の日のマラソン大会はいつも以上に入念な対策が必要だと勉強になりました。
参加賞
ランニングTシャツは、エンジ色にイノシシがプリントされたデザインです。ゴール後には完走メダルと「いろはす」もいただきました。
そしてランナーに無料で振る舞われたしし汁。冷えきった体を温めてくれました。僕は行きませんでしたが、入浴無料サービスもありました。
一つ不満だったのが完走証です。ゴール後の楽しみはなんといってもタイムと順位ですが、篠山マラソンは、写真入り完走証(300円)を事前申込していないと完走証はありません。正式な記録は後日、ホームページにアップされているのを見てはじめて知ります(ランナーズアップデートで参考記録はすぐに見られます)。そのため、走り終えた直後もいまいち達成感がありませんでした。
最近のマラソン大会では、無料ですぐに完走証を発行してくれます。僕は完走メダルよりタイムが記録された完走証の方がうれしいです。
まとめ
天候が悪い中でも自己ベストを出せたのは、ランナーだけでなく、ずぶ濡れになりながらも、沿道から応援してくれた人たちやスタッフのおかげです。皆さんほんとうにお疲れさまでした!
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