お墓はどうする?「散骨」と「お墓への埋葬」のメリットとデメリット
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「私が死んだら海に散骨してほしい」
私と妻はまだ30代ですが、自分達の「死」について話をするとき、妻が口にする言葉です。
とはいえ結婚してからずっとこのような話をしているわけではありません。むしろ、死ぬなんてまだまだ先のことだし、無頓着と言われてもおかしくないほど考えていませんでした。
ところが、この2年で私たち夫婦の祖母が立て続けに他界。お墓参りに行く機会が増えたんです。
身内の死を目の当たりにし、悲しみと向き合うと同時に、長男の私はこれまでになかった感情を抱くようになりました。それは、お墓のこと、自分が死んだ後のこと、妻や子供はお墓を守る必要があるのかどうかということ。すなわち、先祖を守っていくための方法や供養のあり方についてです。
特に不安なのが、お墓への距離。かなり遠いんですよね。現在、大阪に住んでいて、私は香川県、妻は静岡県の出身です。兄弟も地方に出ていて、双方の両親がお墓を守ってくれている状態です。
いつかは両親も死を迎えますし、年齢を重ねるとお墓の掃除や管理も負担になりますよね。
それに「俺らも死んだらどうする?子どもはめちゃくちゃ大変になるね」と、この先もずっと続いていく問題に頭を抱えています。
課題は山積みなんですが、冒頭でも書いたよう妻は「散骨」という方法が気になっているようなんです。確かに、最近は同じ悩みを持つ人も増え、葬儀をやらなかったり、墓じまいしたりと、スタンダードではない方法が話題になっていますよね。
今回は、一つの選択肢として考えておくべき「散骨」と一般的な「埋葬」についてのメリットやデメリットをまとめました。
散骨と埋葬の違い
散骨とは?
故人の遺体を火葬した後の焼骨を粉末状にした後、海、空、山中等でそのまま撒く葬送方法をいう。
wikipedia
埋葬とは?
「死体を土中に葬ること」として、いわゆる土葬を指す言葉として定義されているが、慣用的な用法としては火葬後の遺骨を墓地や納骨堂などに収納することを指す場合もある。
wikipedia
おそらく、ほとんどの日本人にとって、なじみがある供養はお墓への埋葬(まいそう)でしょう。それに対し、遺骨を撒いて供養することを散骨といいます。
埋葬:火葬後、遺骨をお墓や納骨堂に埋葬
散骨:火葬後、遺骨を海や空、山に撒く
散骨は、海で行う「海洋散骨」やセスナ機やヘリコプター、はたまたロケットで打ち上げる「空での散骨」、「宇宙葬」が一般的。陸地に撒くと住民とのトラブルになるケースがあるからです。まだまだ認知されていなかったり、身近な土地に撒かれるのことを嫌がる気持ちは分かりますよね。
とはいえ、お墓への埋葬は日本古来のものではなく、大正から昭和のはじめに普及したと言われていて、実は歴史が浅いのです。
それに「そう言われてみれば・・・」とお墓への埋葬を疑問視している人が増えているんですよね。海洋散骨は米国で4人に1人以上が選ぶほど一般的。日本でも6割以上の人が(神奈川県が2013年に行った意識調査)理解を示しているという結果が出ているんです。
このように、少しづつ市民権を得ようとしている散骨。そして一般的な埋葬。それぞれ、どのような理由で選ぶ人が増えているのでしょうか。
散骨と埋葬のメリットとデメリット
ここからは、散骨とお墓への埋葬の違いがわかりやすい「費用」「保守」「故人や遺族の想い」を比較しながら、両者のメリットとデメリットをみていきましょう。
費用
供養について、最も問題になっているのが費用です。葬儀やお墓の購入など、遺族を見送るには多額のお金がかかります。
▽埋葬:平均約200万円
お墓の購入に約200万円、その後も管理費やお布施で費用がかかります。所有し続けている限り、その負担は子孫へと受け継がなくてはなりません。災害や老朽化でお墓が被害に合えば、立て直しの費用もかかります。
▽散骨:数万円から可能
いくつかの方法がありますが、業者に代行してもらうのであればわずか数万円から、業者に船をチャーターしてもらい自分の手で散骨するのでも数十万円からとリーズナブルです。お墓を持ちませんから、その後の維持費もかかりません。
参考:シンプル葬の海洋散骨 総額49,000円(税別)、合同海洋散骨 総額149,000円(税別)
葬儀の平均も約200万円と言われており、葬儀200万円+お墓200万円で計約400万円もかかります。他にも、入院費や家の問題など、莫大なお金がかかりますよね。
若い人や定年後で稼ぎが少ない人にとっては、かなり苦しい金額。これだけのお金がかかるのですから、支払うだけの財力がないという人が多くて当然です。
費用をおさえたいのであれば、散骨はかなり有効な手段といえます。
保守
葬儀や埋葬が終われば、それですべてが終わるわけではありません。もちろん、先祖を想う気持ちは大切ですが、お墓の管理や一周忌の対応など負担になることも多く、先のことを考えておく必要があります。
▽埋葬:お墓の管理が必要
お墓は、代々受け継いでいくものです。つまり、誰かが管理し続けなくてはなりません。お墓参りや掃除、誰が墓守するのかといった、いくつもの問題があります。
基本的には、長男が受け継ぐのですが、男性不在、子供不在(少子化)となることも想定できます。それに、結婚しない人や離婚する人が増えており、老後を一人で過ごす人の割合が高まっています。せっかくお墓を建てても、一世代で役目を終えてしまうことも考えられますよね。
とはいえ、お墓があることで一周忌や三回忌、命日など、親族が集まるきっかけになるメリットもあります(費用や親戚付き合いが嫌な人にとってはデメリットですが)。
▽散骨:何もしなくていい
骨を納めている場所がないので、何もしなくてかまいません。管理という面では圧倒的に楽です。
それでも、故人に手を合わせたいときはあるでしょう。そんな時は、散骨した場所にお参りにいったり、遺骨の一部を手元に置いておいて自宅で供養するという方法が可能です。
しかしながら、兄弟や親族によっては、お墓のない散骨を受け入れない人もいます。勝手な判断でやるとトラブルになることも。周りの理解を求めることが重要なポイントとなります。
他には、埋葬を考えていたものの、公営墓地の抽選が決まらず散骨に流れるケースもあります。
故人や遺族の想い
生前に自ら方法を選んでおく人もいます。例えば、夫と一緒のお墓に入れてほしい、好きな海に散骨にしてほしいなどの理由があります。
▽埋葬:宗教やしきたりに合わせて
宗教の関係や先祖代々のしきたりにならう場合が多いです。私も散骨を知らなければ、何も考えずにお墓への埋葬を選択していたと思います。死後も親族が同じ墓の下で寄り添えるため、遺族の精神的にも安心ですよね。お墓参りでみんなで先祖に手を合わすこともできます。
▽散骨:好きな場所で
信仰心のない人は、お墓に入る理由に疑問が残りますよね。日本人は、お寺に行く日もあればクリスマスを祝う日もあり、宗教へ特別な関心がない人も多いです。
また、生前に海や自然にゆかりがあった人は、好きな場所で最期を迎えたい(迎えさせてあげたい)理由から散骨を希望するケースがあります。例えば、横山やすしさんが宮島競艇場で、石原裕次郎さんは大好きだった湘南の海での散骨が行われています。
それに散骨は、遺族の手で直接送ってあげられるため、最も愛のある方法とも言えるのかもしれません。
ただし、高齢の方や足下の不自由な遺族は、船に乗ったり、遠くに移動するのがしんどいかも。ハワイや沖縄の海で!と言われれば負担になりますよね。
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散骨の方法と注意事項
散骨が刑法190条の規定する死体(遺骨)遺棄罪に該当するかについて、法務省の見解(非公式)では、散骨が節度をもって行われる限りは違法性はないとしている。
wikipedia
散骨は違法ではありません。しかし、違灰ならOKだけど、遺骨の場合は死体等遺棄罪(刑法190条)と墓地・埋葬等に関する法律(墓埋法)にあたり、違法になる可能性があります。
それに、どこでも自由に散骨してもいいわけではありません。他人の私有地や漁場・養殖場などでは、住民とのトラブルになります。また、個人では散骨のために船をチャーターすることを許可しない船も。
このように、無知にやってしまうと労力がかかるうえ、正しい方法で行われなければ故人も浮かばれないでしょう。
そのため、散骨サービスを行っている業者を利用するのが賢明です。
シンプル葬では、他の遺族と合同で行う「合同海洋散骨(総額149,000円(税別)」や全てのことをスタッフが代行してくれる「委託散骨(総額49,000円(税別))」といったサービスが人気です。
追加料金一切不要のリーズナブルな価格で、遺骨の粉砕や散骨海域の紹介(沖縄、湘南、博多湾)、献花用のお花やお酒の準備など、必要なことをすべて取り仕切ってくれるため、多数のメディアに紹介され話題になっていますよ。
まとめ
お墓への埋葬と散骨にはそれぞれのメリット、デメリットがあります。これらを踏まえ、どんな人におすすめできるかをまとめると、
▽お墓への埋葬
・宗教の関係
・親族への理解が得やすい
・お墓参りをしたい
・先祖と共に供養したい
▽散骨
・費用をおさえたい
・お墓の管理をするのが難しい
・受け継ぐ人がいない
・故人とゆかりのある場所で供養したい
となります。
どちらが正しいかは一概には言えません。しかし、お墓への埋葬が当たり前だった時代から散骨という選択肢が加わり、注目を集めていることは事実で、これからも尽きない話題になるでしょう。
どちらか悩んでいるのであれば、身内やプロに相談してみて、理解や傾向、知識を深めることからはじめてみてはいかがでしょうか。
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